UPSの健康・安全グローバル責任者のCormac Gilliganの署名記事
目で見て耳を傾けること。私がUPSに入社しグローバルな健康安全プログラムの責任者となってから、この2つの言葉は私にとって最も重要な言葉となっています。この裏方的な役割は、私たちが世界中の53万4千人の社員の身体の安全、健康、ウェルネスを優先するさまざまな方法を教えてくれるものです。
ドライバーのように毎日長い距離を運転することは私にはできませんが、UPS社員がすべてのレベルでどれほど気を配っているかを実際に目にしてきました。そうしたことが礎となっているのです。
ドライバーが出発する前やパイロットが離陸する前にUPSの施設に足を踏み入れると、その日の最も重要な目的地である帰宅時間について話す社員の声を聞くことができます。結婚式や卒業、誕生日のパーティについて聞いたことがあります。また数え切れないくらい家族写真を目にしました。UPS社員が注意散漫なドライバーやヒヤリとした場面、また熱波について話しているのを聞いたことがあります。これらはすべて、UPS社員に安全であることを思い出させるものであり、私たち安全チーム全体のミッションを示すものでもあります。
考えてみてください。当社は、米国だけで安全トレーニングに年間2億6000万ドル以上を投資しています。当社のオペレーションの社員は、年間500万時間の安全トレーニングを受講しています。
私たちはもちろん完璧ではありませんが、安全プログラムを進化させ、最新のテクノロジーを活用し、すべてのUPS社員が一日の終わりに安全かつ健康的に帰宅できるよう努力を続けています。
すべての関係者の心を痛める電話やニュースもありますが、そのようなインシデントも、私たちを奮い立たせてくれるのです。
2022年の夏は記憶に残るものとなるでしょう。
この夏、最前線で働く社員を抱える多くの企業が厳しい試練に直面しました。その筆頭に挙げられるのが、米国のほとんどの地域で発生した熱波です。UPSでは、社員のための安全な職場の確保のための措置を講じています。
機能性素材を使った、通気性のよい制服を使用しています。引き続き車両に扇風機を設置し、さまざまな換気・断熱システムを試験しています。また、水や果物、電解質飲料も提供しています。労働衛生・安全の分野の専門家からの意見を元に開発した、熱中症管理プログラムも用意しています。
このプログラムでは、水分や栄養の補給、適切な休息を取るなど、教育と啓発に重点を置いています。 これには、朝の天気や状況を共有したり、携帯配達デバイスを使い、 1 日を通してドライバーに熱中症に関する定期的なリマインダーを送信したりするなどの簡単な定期的なコミュニケーションとタッチポイントが含まれます。
安全については、常に指導とトレーニングを実施します。
当社は、全米で440人以上の安全専門家を有し、UPS従業員を指導、訓練、コーチ、カウンセリングを実施しています。また、Comprehensive Health & Safety Process (CHSP)と呼ばれる、UPSの臨時職社員と管理職との協力の一環である、社員主導の安全委員会もあります。こうした臨時職社員は、全米3,200以上のUPS施設で監査を行い、プロセス変更を推奨し、安全に働くための模範を示しています。
私たちにとって重要なのは、継続的な改善です。
ドライバーのトレーニングを例に挙げます。新人のドライバーからは、もっと体験型の研修を受けたい、という声が聞かれました。そこで、テクノロジーを活用したトレーニング施設やバーチャルリアリティの運転体験、従来の教室での指導、市街地のレプリカを備えた、ドライバートレーニングプログラムであるIntegradを開設しました。信じられないことです。
UPSには現在11か所にIntegradがあり、2023年にはニュージャージにもう1か所開設されます。2007年から、10万人以上のドライバーがこのプログラムを修了しています。
全体として、状況は改善しています。
1年前に私がUPSに入社したとき、社員の健康と安全に真剣に取り組む会社に入ったと思いました。全国を回るうちに、この会社の社員に対する思い入れの深さを実感しました。投資した金額やトレーニングの時間だけではありません。それは、健康と安全が共有すべき責任であると考え、真に配慮することができる人々のことです。
そして、より安全で健康的なUPSファミリーを実現するための道筋を描くために、常に目を向け、耳を傾けています。