テクノロジーはすさまじいペースで進んでおり、昨日最新だったものは今日には陳腐化します。
UPS Airlinesが数年前に導入したAirbus A300貨物機についてもそう言えます。52機のワイドボディの「機尾が茶色の飛行機」の平均機齢は18年で、今後まだ十分に運用可能です。ただし、コックピットのアビオニクスは大幅なアップグレードが必要でした。飛行に使用している現在の飛行管理コンピュータ(FMC)のストレージは200キロバイトに過ぎません。A300-600が初飛行を行った1983年には問題ありませんでしたが、現在では全く不十分です。
「どうにかしなければならないことは分かっていました」と、UPSの飛行機保守担当エンジニアリングディレクターのEd Waltonは述べています。「当社の飛行機保守技術者は、飛行機の目的地に応じて、フライトごとにFMCデータベースを更新しています。」
各アップデートの所要時間は45分で、1分を争うビジネスでは極めて長い時間です。
UPSの答えは、総合的なアップデートです。これは、A300を今後20年飛行させるプロジェクトです。
「検討するほど、コックピットのすべてに目を向ける必要がありました」とWaltonは述べています。
「すべて」には、飛行管理コンピュータやLCDコックピットディスプレイ、GPSアシスト着陸機能、気象レーダー、デジタル通信機器、保守コンピュータなどが含まれました。
「UPSでは、イノベーションドリブンについて話しています。これは、その考えの完璧な例です。これほど広範なアップグレードは、これまでにA300で行ったことはありませんが、重要な資産の価値を最大限活用しつつ、保有する飛行機の寿命を延ばすことは、正しい決定です」と、UPS Airlinesの飛行機エンジニアリング担当バイスプレジデントのBill Mooreは述べています。
「UPSでは、イノベーションドリブンについて話しています。これは、その考えの完璧な例です。」
ソリューションについてAirbusおよびHoneywell Aerospaceと連携した後、UPSは2月に、コックピットをアップデートした初のA300を受領しました。これによりFMCは、全世界の飛行データベースを保存できるようになり、アップデートにかかる時間は5分以下となっています。新しいLCDコックピットディスプレイは、より多くの情報をパイロットに提供し、状況認識性を高めることで安全性を改善しています。新たな電子機器によるモジュラーアプローチにより、将来のアップグレードはコンピュータ基板の交換と同じくらい簡単になっています。
「最新のコックピットになりました。パイロットは飛行を楽に行えるようになり、飛行機の保守も大幅に簡単になります」と、Mooreは述べています。
UPSは残りの保有機のアップデートを近日中に開始し、2022年の繁忙期までに52機すべてのアップデートを完了する予定です。
この重要なアップグレードの詳細については、以下のビデオをご覧ください。